(仮訳)ブラジル、サンパウロ州産のInocephalus属菌
Karstedt, F. & Capelari, M., 2013. Inocephalus (Entolomataceae, Agaricales) from São Paulo State, Brazil. Nova Hedwigia. Available at: http://www.ingentaconnect.com/content/schweiz/novh/2013/00000096/F0020003/art00001 [Accessed March 29, 2014].
【R3-00552】2014/03/29投稿

【お読みください】
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3行まとめ

ブラジル、サンパウロ州の3か所でInocephalus属菌の調査を行い、9種を同定した。
そのうち、I. cervinusなど3種を新種記載し、I. glycosmus var. paranapiacabensisを新変種として記載した。
また、4つの新組み合わせを提唱し、ソライロタケをサンパウロ都心部から初めて報告した。
Brazil, São Paulo, Santo André, Reserva Biológica de Paranapiacaba

(新種)

Inocephalus cervinus Karstedt & Capelari
語源…鹿の(傘の色から)
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【よく似た種との区別】
Inocephalus avilanus
担子胞子のサイズが類似している
縁シスチジアの形状が類似している
本種と異なり傘が暗黄褐色~褐色ではなく肉色・蝋黄色・黄土色など
本種と異なり柄が藁色で基部が黄褐色
本種と異なり傘表皮が匍匐する菌糸からなる
Inocephalus quadratus
担子胞子のサイズが類似している
縁シスチジアの形状が類似している
本種と異なり傘が暗黄褐色~褐色ではなく橙黄色・帯橙褐色・帯赤褐色・赤色など
本種と異なり柄が白色~汚白色ではなく橙黄色・帯橙褐色・帯赤褐色・赤色など
Entoloma lycopersicum
担子胞子のサイズが類似している
縁シスチジアの形状が類似している
本種と異なり傘が暗黄褐色~褐色ではなく橙黄色・帯橙褐色・帯赤褐色・赤色など
本種と異なり柄が白色~汚白色ではなく橙黄色・帯橙褐色・帯赤褐色・赤色など
Inocephalus tenuis
ブラジルに分布する
担子胞子が立方体状
側シスチジアを欠く
本種と異なり襞が白色~帯桃ベージュ色ではなく淡い帯褐灰色
本種と異なり襞の間に僅かに脈線が生じることがない
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子に突起を持つ
Brazil, São Paulo, Parque das Fontes do Ipiranga, trail in direction to Avenida do Cursino, next to Núcleo de Pesquisa em Ecologia

(新変種)

Inocephalus glycosmus var. paranapiacabensis Karstedt & Capelari
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【よく似た種との区別】
Inocephalus glycosmus
本変種と異なり傘表面が細点状~鱗片状になるか繊維状条線を持たず、放射状繊維紋をなす
本変種と異なり担子器が4胞子性ではなく2胞子性
Inocephalus mucronatus
ブラジルに分布する
種より担子胞子のサイズが大きい
種と異なり担子胞子が四角形~五角形ではなく五角形~六角形
種より縁シスチジアのサイズが大きい
種と異なり縁シスチジアが紡錘形~便腹状嘴形ではなく紡錘形・瓶形・微突形・嘴形で、頸部が顕著に傾く
Brazil, Sao Paulo, Sao Paulo, Parque das Fontes do Ipiranga, trail in direction to Avenida do Cursino, next to Nucleo de Pesquisa em Ecologia

(新種)

Inocephalus mucronatus Karstedt & Capelari
語源…微突形の(大多数の縁シスチジアの形状から)
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【よく似た種との区別】
Entoloma acuminatum
縁シスチジアの頂部が顕著に尖るか円錐形になる
縁シスチジア以外の形態形質が全て異なる
Entoloma atrellum
縁シスチジアの頂部が顕著に尖るか円錐形になる
本種と異なり側シスチジアを欠く
Inocephalus glycosmus var. paranapiacabensis
ブラジルに分布する
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が五角形~六角形ではなく四角形~五角形
本種より縁シスチジアのサイズが小さい
本種と異なり縁シスチジアが紡錘形・瓶形・微突形・嘴形で頸部が顕著に傾かず、紡錘形~便腹状嘴形
Brazil, São Paulo, Parque das Fontes do Ipiranga, trail in forest paralel the Avenida do Cursino

(新種)

Inocephalus tenuis Karstedt & Capelari
語源…細長い(子実体の形状から)
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【よく似た種との区別】
Rhodophyllus asterospermus
担子胞子のサイズが10-17 μmの中に収まる
担子胞子が立方体状
縁シスチジアを持つ
本種より子実体がしっかりとしている
本種と異なり傘が褐色ではなく帯赤褐色
本種と異なり襞が淡い帯褐灰色ではなく帯赤褐色
本種と異なり傘の肉が類白色ではなく暗褐色
本種と異なり縁シスチジアが円筒形で時に棍棒形、稀に枝分かれする形状ではなく棍棒形
Rhodophyllus rufus
担子胞子のサイズが10-17 μmの中に収まる
担子胞子が立方体状
縁シスチジアを持つ
本種と異なり傘が褐色ではなく帯赤褐色
本種と異なり傘表皮の末端要素が40-2508-45 μm
Entoloma colensoi
本種と異なり傘が褐色ではなく紫褐色
本種と異なり縁シスチジアが円筒形で時に棍棒形、稀に枝分かれする形状ではなく不規則な紡錘形で数回くびれる
Inocephalus dragonosporus
本種と異なり傘に非常に長い乳頭突起を持つ
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より担子胞子の突起が長い
Inocephalus cervinus
ブラジルに分布する
担子胞子が立方体状
側シスチジアを欠く
本種と異なり襞が淡い帯褐灰色ではなく白色~帯桃ベージュ色
本種と異なり襞の間に僅かに脈線が生じる
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子に突起を持たない

(新組み合わせ)

Inocephalus azureoviridis (E. Horak & Singer) Karstedt & Capelari
旧名:Entoloma azureoviride E. Horak & Singer
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【よく似た種との区別】
Inocephalus virescens
ブラジルに分布する
地上に発生する
子実体が濃青色
担子胞子がしばしば立方体状
偽シスチジアを持つ
子実体の全ての組織に屈折性の菌糸を多数含む
本種と異なり老成したり傷ついたりした時に黄褐色~緑色に変色するのが傘の繊維と柄の表面に限らず子実体全体
本種と異なり触れた時の子実体の変色に要する時間が子実体の成熟度に依存せず、数分程度で起こる
本種より担子胞子のサイズが顕著に大きい(t検定で有意差あり)
本種と担子胞子の形状が三角形~六角形ではなく常に四角形

(新組み合わせ)

Inocephalus cystidiophorus (Dennis) Karstedt & Capelari
旧名:Entoloma cystidiophorum Dennis
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【よく似た種との区別】
Inocephalus flavotinctus
ブラジルに分布する
担子胞子のサイズの範囲が重なる
本種と異なり傘が鐘形または窪んだ形状をとらず円錐形~広円錐形
本種と異なり傘がベージュ色~褐色ではなく淡黄褐色~褐色でしばしば橙色を帯びる
本種と異なり傘表面が繊維状~鱗片状ではなくややビロード状~粉状
本種より五角形の担子胞子が少なく、四角形~五角形で時に立方体状
本種より側シスチジアのサイズ(特に頂部の幅)が大きい
本種と異なり側シスチジアが紡錘形~瓶形ではなく便腹状嘴形~紡錘形
本種より縁シスチジアのサイズ(特に頂部の幅)が大きい
本種と異なり縁シスチジアが紡錘形~瓶形ではなく便腹状嘴形~紡錘形

(新組み合わせ)

Inocephalus dennisii (E. Horak) Karstedt & Capelari
旧名:Entoloma dennisii E. Horak
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(新組み合わせ)

Inocephalus flavotinctus (E. Horak & Corner) Karstedt & Capelari
旧名:Entoloma flavotinctum E. Horak & Corner
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【よく似た種との区別】
Inocephalus cystidiophorus
ブラジルに分布する
担子胞子のサイズの範囲が重なる
本種と異なり傘が円錐形~広円錐形ではなく鐘形または窪んだ形状をとる
本種と異なり傘が淡黄褐色~褐色でしばしば橙色を帯びず、ベージュ色~褐色
本種と異なり傘表面がややビロード状~粉状ではなく繊維状~鱗片状
本種の担子胞子が四角形~五角形で時に立方体状であるのに対して、五角形の担子胞子が多い
本種より側シスチジアのサイズ(特に頂部の幅)が小さい
本種と異なり側シスチジアが便腹状嘴形~紡錘形ではなく紡錘形~瓶形
本種より縁シスチジアのサイズ(特に頂部の幅)が小さい
本種と異なり縁シスチジアが便腹状嘴形~紡錘形ではなく紡錘形~瓶形

(新組み合わせ)

Inocephalus glycosmus (Pegler) Karstedt & Capelari
旧名:Inopilus glycosmus Pegler
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【よく似た種との区別】
Inocephalus glycosmus var. paranapiacabensis
本種と異なり傘表面に放射状繊維紋を持たず、細点状~鱗片状になるか繊維状条線を持つ
本種と異なり担子器が2胞子性ではなく4胞子性

(その他掲載種)

Inocephalus virescens (Berk. & M.A. Curtis) Largent & Abell-Davis
ソライロタケ
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【よく似た種との区別】
Inocephalus azureoviridis
ブラジルに分布する
地上に発生する
子実体が濃青色
担子胞子がしばしば立方体状
偽シスチジアを持つ
子実体の全ての組織に屈折性の菌糸を多数含む
本種と異なり老成したり傷ついたりした時に黄褐色~緑色に変色するのが子実体全体ではなく傘の繊維と柄の表面に限られる
本種と異なり触れた時の子実体の変色が必ずしも数分で起こるのではなく、子実体の成熟度によって変色に要する時間が異なる
本種より担子胞子のサイズが顕著に小さい(t検定で有意差あり)
本種と担子胞子の形状が常に四角形ではなく三角形から六角形まで見られる